テレビを見ていても、インサートでドローンを使って撮影した映像が使われていたり、ほとんどメイン映像として使う目的で、撮影の依頼を頂いたこともあります。
特に地方ロケや、山間部、海上の映像が特に多いですね。
「空撮」と一言で言うと上空から地上を見下ろす、いわゆる「鳥瞰図」を思い浮かべる人が多いと思います。実際に、建築関係の撮影をしている場合は、100mくらいの高さから被写体を見おろす撮影がほどんどでした。
結局、今のテレビのインサートと同じように、竣工写真のアルバムを作る際にアクセントとして空撮の写真を入れると言うのが主流でしたし、今でもその傾向にあると重います。
あくまで、「サブ」要素の強い現在のドローン空撮映像。「空撮映像だけでは映像作品として成立させられない。」のような意見も聞いたことがありますが、最新機材を使っている人へのやっかみか、新しいものはとりあえず否定したい視野の狭い人が言っているだけのことと思っています。
ドローンが地上のカメラマンに取って代わる
カメラを回しながら歩くと、どうしても振動がカメラに伝わります。カメラジンバルを用いることにより、振動や傾きを抑えることができますが、性能は機器の価格に比例します。安価なジンバルであればどうしても縦方向への揺れは、補正が行いきれず映像に現れてしまいます。
筆者自身も、DJI Osmo Mobile2を使って、地上撮影をすることもありますが、歩きながらの撮影は最新の注意を払っています。
水上撮影が多いことから、船の上からカメラを回すこともあります。揺れる船上でカメラを構え、適正アングルを保持するのは大変です。これは実体験から言えること。
映像の撮影をドローン撮影に一本化したのは、「オンボード撮影に準ずるアングルはドローンを超低空飛行させることにより、船上でカメラを構えるより理想的なアングルを作ることができる。」という結論から。カメラ持って歩くのが面倒だからという横着心もありますけどね。
ドローンの進歩は言わずもがな、カメラジンバルの進歩も凄まじく。一眼レフカメラを載せられるタイプのカメラジンバルが5万円代で購入できるようになりました。でも、自分で歩かなくていい、人が立ち入れない場所での撮影も可能なドローンは、地上ジンバルカメラに対してもアドバンテージがあるのではないでしょうか。
横着を否定しない
文明の進歩は、人間の横着心の賜物だと思っています。
化石燃料燃やして、鉄の箱を動かさなくても己の足で歩けばいいだけで。
ただ、当の自分は自他共に(?)認める横着者なので、徒歩数分の店に買い物行くのにも車に乗り、すぐそこの撮影なのでドローンが飛び。現金出すどころかクレジットカード決済のやりとりすらメンドクサイから、ICカードやスマホ決済が中心に。
ドローンも自分の足で歩くことを止めたカメラマンの成れの果てなんでしょうね。
ドローンの使用を目的にしない
筆者からすると、ドローンはあくまでカメラ。
新たにドローン事業に参入しようと考えている人の話を聞くと、かなりの割合で「ドローンを使うこと」を目的にしている人がいます。
この考え方で、事業化を進めてしまうとドローンを買った時点で、「どう使おう?」と壁にぶち当たってしまいます。ドローンを使って何をするかというビジョンが描けていないがため、最悪の場合無駄な買い物になってしまい、「ドローンなんか使えない」になってしまうことも。「使えないのはあなたの思考回路なんですよ〜。」とか言うと怒られますね。
でも、これは否定できません。
逆に、ドローンを使って何をしたいかを明確にしておかないと、20万円ほど出して買ったドローンが本当にお蔵入りになってしまうことだって、無きにしも非ずだと思います。
ビジョンは必須そしてアプローチも大事
筆者は、ドローンを映像制作のツールとして使っています。
異業種の人と話していると、映像屋の観点では到底思いつかないドローンの使い方が持ちかけられて、そこで得た知識を基にドローンを中心とした観点で考えると、「その考えは形にできる」という話がよくあります。
なんの変哲もない、真俯瞰の写真。この写真でもある程度であれば海底の様子がわかりますが、それも何となくレベル。
記録写真レベルでとりあえず撮った写真。しかしこの写真を実際にこの場所で潜ったダイバーが見ると、この場所に何がいてどんな地形だったのかが手に取るように分かるそうです。私は全然わかりませんが。
分かるのはこの程度。
これが発展して、串本のリーフチェックに参加しているというのが今の現状です。思いも寄らないことが事業に繋がるのも新興産業の面白いところ。
反対に、ビジョンがはっきりしているのにアプローチが完全にミスって、進捗が止まっている。みたいな例も。
やはり、物事を形作っていくのも難しいようです。
同業者からの「アイツはCrazy」
航空法の穴を突いたり、申請をいじりまくってやりたい事をやれる許認可を得て、かつ操縦も過激(じつは自分ではそこまで過激だとは思っていない)な撮影をしていると、同業他社と仕事をしている時によく言われる。
字面はアレでも、同業者からこれを言われるのは悪い気はしない。
普通の人がしない事に、徹底的にチャレンジする。安牌を取りたい人、保守的な人はなかなかしないような事を仕事でも簡単にやっちゃう証だと思っています。
Crazyにならないと空撮屋は行き詰まる
航空法の規制とか周りの目とか、面倒くさいモノが多いですが、それらへの対処を徹底して、合法かつ過激な事が出来る様にトレーニングを積むともっとも効果的だと考えています。
安牌取る空撮屋は既に飽和状態になってしまっているのは否めません。
今このタイミングで新規参入を考えている場合は、もうこの路線をひた走って、周りとの差別化を図る以外の道を辿ると、なかなか苦労す るのではないでしょうか。
同業者と話していても、本来は商売敵のはずが「烏合の集」が多すぎて、「ホンモノ」がいないと言うのが、反対に同じ様なレベル(操縦技術だったり関連知識であったり)にあるオペレーターを確保するためにも、同業他社とは仲良くしています。
結局はドローンを使って何がしたいか
先の項目でも挙げた通り、ドローンを使うことを目的としている事業者はまず失敗すると言うことがまず1つ。
実は自分もドローンを事業利用しようと考えた時、これでした。しかし、4年前であればそれでも何とかなった時代でした。
しかし、もう直ぐ2020年になろうとしている頃、ドローンが飛ぶことは、もはや当たり前になっています。
それどころか、ほとんど業種では送信機のスティック操作に長けたオペレーターを必要としません。残念ながら。
2年ほど前から抱いていた持論が、今や現実となってしまっていることを否定できなくなっています。
ただ、ドローン産業が脚光を浴びる前、まともに飛ばなかった時代からドローンに携わっている者からすると、綱渡り的な飛行をしていた時代と機材の性能は雲泥の差で、「まともに飛ばないドローンで撮影ができる操縦技量」であれば、現在の高難度フライトは難なくこなすことができる。
生き残るために過激であることを求める理由は、ここにあります。
撮影及びフライトプランニングのご相談は、下記バナーよりお問い合わせください。
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